今回は、最近私がスウィングで心掛けている二つのポイント、「ブランコ」と「綱引き」についてお話しします。
先ずはブランコから。ブランコの何がゴルフスウィングと関係あるのかとお思いでしょうが、簡単に言えば「ブランコ=振り子=ゴルフスウィング」という関係です。皆さんご存知の様にゴルフスィングはよく「振り子の様に振れ」と言われます。ブランコというのは、正しく振り子ですからブランコの動きとゴルフスウィングの動きは物理的には非常に近い訳です。どの位近いかと言うと、「スィングのどの段階で力を入れればヘッドスピードが上がるか?」と言う質問の答えもブランコにあります。
ゴルフスウィングの場合、一般的には「フォロースルーでヘッドスピードが最大になる様に振れ」と、良く言われます。まあ実際にはインパクトでクラブヘッドのスピートが最大になる方が、インパクト後にヘッドスピードが最大になるよりはボールの初速は上がりますが、要するに「インパクト迄ヘッドが加速していかなければならない。その為にはフォローを速く振るイメージで振った方が、ヘッドが加速した状態でインパクトを迎えられる。」と言う意味ではないかと思います。実は私も、ずっとそう思っていました。
ところが先日、知り合いの上級者の方から、「切り返しの直後を速く振った方がヘッドスピードが上がるよ。」と言われ、半信半疑で試してみた所、確かにヘッドスピードがトラックマンの測定で2m/秒ほど上がりました。飛距離も今まで超える事が出来なかった240ヤードを超える当たりが何発か出ました。その方は、ドラコンのレッスンを受けた事があるそうで、切り返し直後を速く振るというのはドラコンの世界では常識だそうです。
確かに私のヘッドスピードが2m/秒も上がったので、その理論が間違えではないと納得はしたのですが、何故切り返し直後を速く振った方がよいのか、理屈的には理解できませんでした。そこで、うちのインストラクターにこの話をしたところ、彼が「そう言えば飛距離アップのドリルとしえ、切り返し直後にメディシンボールを真下に思いっきり叩きつけるドリルを見た事があります。」と言うので、Youtubeで探してみるとこんな動画が有りました。
(34) 自分からできる限りクラブを遠くで通す。型にはめないメディシンボールの叩き付け方。鈴木愛佳子プロ -YouTube
(34)【勘違いしやすい】飛ばない人は力の入れる箇所、タイミングが良くないのだ。 -YouTube
「なるほど、切り返し直後に力を入れるとヘッドはインパクトまで加速していくのか。」と、これらの動画を見て取りあえず理解できました。それでも、まだ理屈がイマイチ腹に落ちてこなかったので、さらにググってみると、有りました。何故、切り返し直後に力を入れれば良いのかを明快に説明してくれる記事が。
非常にわかり易く説明されているので、この記事から引用させていただきます。
“ゴルフスイングはクラブヘッドの振り子運動だと考えましょう。振り子運動といえば、ブランコです。ブランコを加速させる場合、乗っている子供の背中を押してあげますよね? その際、どのタイミングで背中を押しますか? ブランコが後方へ上がり切る直前に両手を背中に当て、上がり切ったところで背中を押しているはずです。ゴルフスイングに当てはめると、トップへ行く直前から力を入れる準備を行ない、ダウンスイングの切り返しと同時に力を入れます。すると、ヘッドスピードはインパクトで最大を迎え、飛距離アップにつながります。”
この記事を読んで目から鱗。それまでの疑問が一気に解けました。「そーか、ブランコと同じかー、、、そう言えば一人でブランコの立ち漕ぎをする時だって、ブランコが後方に上がりきる直前に膝をまげて沈み込んで、頂点で足を思いっきり延ばして踏み込むよね。」と、やっと全てが腑に落ちました。これがブランコです。
次に「綱引き」です。これはトッド・グレーブスの下記の動画の7分10秒位の所で説明されている形です。
RethinkYour Downswing and Get to the Perfect Impact with the Single Plane Golf Swing
つまり、フォローでクラブヘッドが9時の方向を指した時点では身体は綱引きをしている形、つまりボールを打った後もボールが有った位置よりも頭を後ろに残してつつ(いわゆるステイ・ビハインド・ザ・ボール)、ヘッドの遠心力に対して右足を踏ん張りながら両腕が引っ張られ、綱引きの様に下半身と腕が引っ張り合う形です。
最近この形を意識する様になってから、フォローで左腕が伸びないと言う長年の悩みが解消されました。今まで、どんなにやっても、フォローで左腕が伸びなかったのですが、シングル・プレーン・ゴルフを再開して、綱引きの形で右足をヒールアップせずに踏ん張る様にしてから、フォローで左腕が伸びる様になりました。結局今までは、インパクト後の右足の踏ん張りが無かったので、インパクト後にステイ・ビハインド・ザ・ボールの形が維持できずに、身体の起き上がりが早かったのだと思います。その結果、腕と下半身が引っ張り合う形を作れずに腕が伸びていなかったのです。
以上が私のゴルフスウィングにおける「ブランコ」と「綱引き」です。ヘッドスピードを上げたい方はブランコを、腕を伸ばした大きなフォローを取りたい方は綱引きを、騙されたと思って是非一度お試しください!