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2024/10/22

シングル・プレーン・ゴルフ その3

さて今回は、なぜ私がちゃごる理論からシングル・プレーン・ゴルフに戻したのかについてお話しします。

まず結論から言えば、最大の飛距離と正確性を求めるプロのスウィングと65歳を超えたアマチュアのアベレージゴルファーのスウィングは、違ってしかるべきだと思ったからです。

私は、横田真一プロのYouTubeが好きで「横田真一チャンネル」を良く見ています。横田プロは昨シーズンの後半から片山晋呉プロのコーチとしても有名な谷将貴コーチとコーチ契約を結んでいますが、特に谷コーチのレッスン動画の回は毎回大変面白く見させて頂いています。

横田プロは試合に出ながらスウィング改造をする事を選択されましたが、通常、谷コーチがスウィングを改造する場合は、6カ月間フルショットを禁止して、7番アイアンでの8時から4時のスィングを1か月。それからハーフスウィング1か月、スリークウォーター1か月と、6カ月の間、徹底的にショートスウィングでフォームを固めます。プロが長年にわたって作り上げたスウィングを変えるのは容易ではないようで、シャフト一本分寝かせる様にするだけでも何週間もかかるようです。プロのスウィング改造っていうのは、本当に大変なんだなーと思います。6カ月間フルスウィングしないで、ひたすらショートスウィングを何万球も打つなんてちょっとアマチュアには真似が出来ませんよね?

それからまた、横田真一チャンネルの動画ですが、タイガー・ウッズの元コーチであるショーン・フォーリーの後継者、ウィルズ・マレーが最近のPGAツアーのトレンドを語っている動画があって、そこで彼が言うには、今のPGAのプレーヤは身体を蛇みたいにクネクネさせて、つまり色々な体のパーツを色々な方向に動かしながらスィングしているそうです。スウィングの始動からフィニッシュまでの所要時間は2秒に満たないものなので、この短い間に体を複雑に動かして、複雑な体重移動を行いながら地面反力を使って最大飛距離を追及しているのが現代のツアープロのスウィングです。そういったスウィングが出来る様に、PGAのプロ達は筋トレも含めたハードな練習をしている訳ですが、これもアマチュアのしかもシニアのゴルファーには到底真似が出来る事ではありません。

体力もない、筋力もない、毎日練習するわけでもない、そんなシニアゴルファーにピッタリのスウィングってないだろうかと思っていた矢先、たまたまFacebookで以前からフォローしているGraves Golfの配信で、62歳でそれまでのベストスコアが83だった人がシングル・プレーン・ゴルフを始めてベストスコアを大幅に更新し73で回ったという記事を目にしました。「なるほど、シングル・プレーン・ゴルフはシニアゴルフアーに向いているのか。」と思い、またYouTubeでトッド・グレイブスの動画を色々見てみました。その中の一つの動画でトッド・グレイブスが何故アマチュアにとってシングル・プレーン・ゴルフがお薦めなのかを語っていました。SetUp to Simplify Your Swing ここで彼が力説しているのは、シングル・プレーン・ゴルフはシンプルなスウィングでコンシステント(着実)に、そこそこ飛距離も出る真っすぐなボールが打てると言う事です。スウィングがシンプルなので、チェックポイントも限られてきます。その幾つかのチェックポイントを意識してスイングできれば、自然とコンシステントにボールをヒットできると言う事です。まさしくシニアゴルファーにお薦めのスウィングです。

そんな訳で、「フィニッシュの形がイマイチ」と思ってシングル・プレーン・ゴルフを止めた私ですが、またシングル・プレーン・ゴルフに取組むことにしました。シングル・プレーン・ゴルフを再開して最近ようやく解った事は、この見ため的にはイマイチなフィニッシュの形こそがシングル・プレーン・ゴルフの一つのカギだという事です。シングル・プレーン・ゴルフのフィニッシュがカッコよく見えないのは、インパクトはもとより、フォロースルーでヘッドが時計の10時の所に行くぐらいまでは、右足を全くヒールアップしないと言う事です。バックスウィングでも左足の踵は地面に付けたままヒールアップしません。ヒールアップするのは、フォロースウィングの後半に、体がターゲット方向に対して正面を向く時に、右足の踵が上がるだけです。最近のツアープロのスウィングを見るとインパクトの前から右足の踵が上がっているのが殆どです。飛距離をマックスにするには、切り返しのあと下半身主導でなるべく早く腰を切って左に体重を移す必要があると言う事でしょうか。

体重移動を積極的に行うと言う事は、飛距離に関しては有利かもしれませんが、正確なインパクトと言う点から考えると当然不利になります。一方、シングル・プレーン・ゴルフではワイドなスタンスでヒールアップをしないベタ足のスウィングなので、体重移動による体のブレを最小限に抑える事ができ、安定したインパクトを迎える事が出来ます。

また、シングル・プレーン・ゴルフではアドレス=インパクトではなく、アドレスではクラブヘッドをボールより少し後方にセットします。例えばドライバーの場合は、ボールは左足踵線上にセットしますが、クラブヘッドは身体の回転軸の正面でグリップして左腕とシャフトが一直線になる様に構えるので、アドレスではクラブヘッドがボールより30センチ程、後方になります。インパクトはアドレスより腰が30度程正面を向いた(開いた)状態で迎えますが、これによって身体の回転軸の正面にボールがある状態でインパクトを迎えられる事になります。ここが味噌で、インパクト時に左ひざは飛球線方向に踏み込みますが、右足はベタ足のままなので、腰はいわゆるロックした状態となり、30度以上開かないのです。つまりベタ足で左に踏み込んで思い切り腰を開くと、腰の回転は30度ぐらいでブレーキがかかります。これがブレーキング・ポイントと呼ばれていて、ブレーキング・ポイントに向かって腰を開いてやれば、自ずとボールが身体の回転軸の正面でインパクトを迎える事が出来ると言う訳です。

言葉で説明するちょっと難しいですが、シングル・プレーン・ゴルフに興味のある方は是非、トッド・グレーブス(Todd Graves)のYouTubeチャンネルをご覧ください!