ですから今、私のキャディバッグに入っているアイアンは、56°、52°、48°の3本のウェッジと、9番アイアン、ピッチングウェッジの計5本だけです。
きっかけは『週刊ゴルフダイジェスト』(10月27日号)の記事です。
同誌では、私が勝手に「モリモリのヒキヒキ」と命名している森守洋コーチが、「レッスンは受けるな!」という連載をしています。
その中で森コーチが、こんな話をしていました。
「片山晋呉選手は8番までユーティリティーを入れて、アイアンは9番だけ、という話を僕がレッスンしているお客様に伝えたら、そのお客様も7番までユーティリティーにして、パーオン率が急激にアップしたんです!」
もともとそのお客様はシングル級の腕前で、それまでも1ラウンドで8ホールほどパーオンしていたそうですが、6番と7番をユーティリティーに替えたところ、平均12ホールでパーオンできるようになったそうです。
これを読んで、思いました。
「片山選手やシングル級のアマチュアがミドルアイアンを抜いている時代に、プレッシャーのかかる場面では必ずと言っていいほどミドルアイアンをミスする自分が、ミドルアイアンなんか入れてる場合かっ?」
というわけです。
例えば6番アイアン。
私も練習場では普通に打てます。コースでも、何のプレッシャーもない状況なら普通に打てます。
ところが、これが谷越えや池越えなど、きっちりとキャリーを出さなければならない状況になると、「しっかり当てなきゃ」という意識が強くなりすぎて、途端に普通に打てなくなってしまいます。
どうしても力んでしまうんですね。
そうなると、当然、良い結果が出るわけがありません。
私の場合、いわゆる「ペラ」と呼ばれる、右に弱々しく抜ける薄い当たりか、ダフって左に引っかけるか。そのどちらかが、かなり高い確率で出てしまいます。
しかも、長年ゴルフをやっていると、そういったミスショットを数限りなく経験していますから、同じような状況になると、過去の幾多の失敗が自然と頭の中に浮かび上がってきてしまうのです。
かのジャック・ニクラウスは、ショットの前に、頭の中でカラー映画を見るように、これから打つスウィング、ボールの弾道、そしてボールが落下して最終的に目標地点に止まるところまでをイメージすると語っています。
ボールが池を越えられないイメージが頭に浮かび、その結果、身体が半分金縛り状態でショットしている私とは、えらい違いです。
さて、片山晋呉選手が8番アイアンまで抜いた理由は、もちろん「プレッシャーのかかる場面で8番アイアンをミスしてしまう」という私のような低レベルの理由ではありません。
ユーティリティーの方がスピンを入れやすく、高い弾道でグリーンにボールを止めやすいからだそうです。
また、片山選手は「ユーティリティーは、ある程度しっかり打たなければならないアイアンと違って、無理に強く振る必要がないため、スウィング自体も良くなる」と説明しています。
良いこと尽くめではないですか!
ということで早速、PXGの7番(31°)と8番(34°)のユーティリティーを購入し、6番、7番、8番の3本のアイアンを抜きました。
このセッティングで2ラウンドほどしましたが、なかなか良い感じです。
何と言っても一番良いのは、片山選手が言うように、ユーティリティーは強く振る必要がないので、力まず、ゆったりと振れることです。
今までは、ユーティリティーもミドルアイアンと同じように、しっかりと、あるいは強くヒットしようとしていました。
ところが、ミドルアイアンを抜いてしまうと、しっかり打たなければ球が十分に上がらないと感じるクラブが、キャディバッグからいなくなります。
すると不思議なことに、「しっかり打たなきゃ」という意識そのものがなくなり、ユーティリティーだけでなく、すべてのクラブを力まず、ゆったりと振れるようになった気がするのです。
クラブを替えたら、スウィングまで変わってしまった。
これが今回、一番大きな収穫かもしれません。
さて、ユーティリティーは、しっかり打ったときと軽く打ったときとでは、約10ヤード、つまり1番手ほど距離が違ってきます。
以前は28°の6番ユーティリティーで160ヤードを打とうとしていましたが、今は「150ヤードでいいや」と思って打っています。
したがって、今、目安にしているユーティリティーの距離は、一番長い4番(19°)で170ヤード、一番短い8番(34°)で130ヤードです。
4番ユーティリティーの上は7番フェアウェイウッド、8番ユーティリティーの下は9番アイアンになります。
これで、ドライバー以外は、56°のサンドウェッジの80ヤードから、4番フェアウェイウッドの190ヤードまで、ほぼ10ヤード刻みの距離の階段ができています。
一番飛ぶドライバーでもせいぜい220〜230ヤードですから、80ヤードから190ヤードまでの階段があれば、私には十分です。
さて、160ヤード先のグリーンを狙うとき、6番ユーティリティーをしっかり強く振るのか? はたまた5番ユーティリティーを軽く振るのか?
「短いクラブをしっかり打った方が、長い番手を軽く打つよりもスウィングが緩まないから、距離が合う」
という人もいます。
確かに一理あると思います。
しかし私は、軽く打つコツさえ一度つかんでしまえば、強く振るより軽く振った方が、グリーンに乗る確率は高くなるのではないかと思っています。
それでは最後に、私が最近つかんだ「軽く打つコツ」を3つ、お教えします。
一つ目は、バックスウィングをコンパクトにすることです。
飛ばそうと思うと、おのずとバックスウィングも大きくなってしまいます。
ところが、「そんなに飛ばさなくてもいいんだ」と思うと、自然とバックスウィングも小さくなります。少なくとも、オーバースウィングにはなりません。
二つ目は、上半身を脱力し、グリップをできるだけゆるゆるに握ることです。
そうすると、自然と力むことなく、クラブヘッドの重みを感じながらスウィングすることができます。
また、グリップをゆるゆるに握っていると、ヘッドもよく走るようになります。
そして三つ目、最後のコツは「インパクトを強く」です。
軽く打つコツは、強く打つこと。
なんだか禅問答のようですが、スウィング中、どこにも力を入れないというのは、結構難しいものです。
逆に「インパクトだけ力を入れる」という意識でスウィングすると、インパクト以外の部分で、うまく力が抜けるような気がするのです。
つまり、軽く振ることと、弱く打つことは違うということです。
これが、最近の私の実感です。